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フェイスブックCEOのマーク・ザッカーバーグ氏が公開Q&Aで語ったこと その4

こんにちは、シャインです。

4回に分けて、2014年11月に行われたFacebook CEOのMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏の公開Q&Aを見ながら、

  1. Facebook社のミッションを通じた企業運営のあり方
  2. 起業家論

をザッカーバーグ氏がどう位置付けているかを紐解きたいと思います。

今回のポストはその4回目(最終回)です。

同じTシャツを着ている理由

(ビデオでは42:30くらいから)

「どうしてあなたは毎日同じTシャツを着ているのですか? ひょっとして1枚しか持っていないのですか?」

実は同じものを何枚も持っています(笑)。

「これは単純なようでいて、奥が深い質問です。コミュニティにおいて、どのように責務を果たすべきだと考えているか、ということに繋がっているからです。

私は生活の全てをクリアにしたいんです。できるだけ決断の数を少なくしたい。朝食に何を食べるか、今日は何を着るかといった小さな決断でも、人は疲労してしまうということが心理学の研究によって明らかになっています

(中略)

毎日グレーのTシャツを着ている理由としては、奇妙に聞こえるかもしれません。しかしこれが真実なのです。(中略)私の場合は、とにかく全てのエネルギーをコミュニティに振り向けたいということです。」

ザッカーバーグ氏を見たことのある人なら一度はしてみたい質問ですね。ホリエモンもTシャツでしたが。
一方で、多忙を極める起業家CEOとしてはちょっとした決断や判断における負荷さえも減らしたいと思うのは分かる気がします

ここの部分を聞いていて思ったのは、ひょっとしたら、日本人の生産性が著しく悪いのは朝ラッシュアワーでの通勤で疲れ果てているせいかもしれないですね。

情熱を保つためには

(ビデオでは45:04くらいから)

大切だと思うことをひたすらやる、というところからはじまると思います。会社を作る理由は人によって違います。私の場合は、会社を作ろうと思って作ったわけではありません。最初にFacebookをはじめたときも、会社としてではなくひとつのプロジェクトとしてスタートしました。会社にしようと思ったのは、やらなければならないことがたくさん出てきて、助けが必要だったからです。Facebookをよりよいものにするために、会社として組織化し、人を雇い、資金を生み、それによってまた新しい人材を獲得し、コミュニティに貢献してもらいました。

(中略)

最近教育分野で注目されている考え方に「グリット」というものがあります。会社や個人を成功に導くのは、辛いことを乗り越える能力だというのです。会社を作ることは、思い通りに行かないことばかりです。Facebookは順番にステップを踏んで大きくなったわけではありません。

(中略)

私は、鍵になるのは以下のふたつのことだと思います。ひとつ、自分がやろうとしていることが世界にとって重要だと信じること。もうひとつは、困難を乗り越えるグリットを持ち、同じようにグリットを持った人と協力してチームを作ることです。誰もひとりで何かを達成することはできません。このふたつによって成功している企業は世界にたくさんあります。」

シャインが幼児向け教育事業において注目する「グリット(Grit)」理論が出てきました

(グリット理論に関する詳細はhttp://www.shine-future.co.jp/montessori(別ウィンドウで開きます)を参照ください。)

あと、重要なフレーズとしては、CEO自身がチームを作ることを重要視している点です。

このQ&Aの冒頭でもザッカーバーグ氏が言っていましたが、自分自身が全ての答えを持っているわけではない、という前提に立っているのは素晴らしいと思います。

シリコンバレーの多様性について

(ビデオでは49:04くらいから)
さまざまな研究によって、取り組んでいるタスクに関わらず、多様性がチームのパフォーマンスを向上させることが明らかになってきました。世界を繋げて、多様性が高いチームを構築することは、この助けになります。同じくらいの給与を従業員に支払っているふたつの会社があるとします。片方は多様ではなく、もう片方が多様なら、高い成果を生み出すのは多様性に優れた企業です。

テクノロジー業界、具体的にはコンピュータ・サイエンス・エンジニアリングの領域には、非常に大きい問題があります。他のセクターに比べて多様性に欠けるだけではなく、女性の数が非常に少ないのです。これはどうやって解決するか難しい問題です。

ひょっとしたら女性はコンピュータ・サイエンスの教育を進んで受けようとしないのかもしれませんが、私は現在この領域に女性が少ないということそのものが問題だと思っています。女性がコンピュータ・サイエンスをやろうとしないのは、コンピュータ・サイエンスに女性がいないからです。こうしたスパイラルを断ち切るために、私たちは大きな努力をしなくてはなりません。」

企業が発展するのには多様性が不可欠、とシャインも考えます。なぜならば、世の中に取り組むべき課題は年々複雑さを増しており、それに対応するには単一業界の深い知見だけでは対処できないからです。

一方、COOのシェリル・サンドバーグ氏が指摘している通り、IT企業に限らずコンピュータ・サイエンス/エンジニアリング経験者が大幅に不足していて取り合いになっている現状は日本も同じです。小学校からプログラミング学習を行うと先日報道がありましたが、それをやったとしてその人材が社会に輩出されるのが10年後ですので、今の大学生や高校生にもそういったスキル学習の機会を提供する必要があるとシャインは考えます。

シャインは学生・社会人へのプログラミング教育を実施する株式会社divと提携し、彼らが提供するサービス「TECH::CAMP」を支援しています。シャイン代表も2015年6月の1か月間、TECH::CAMPに「入隊」しプログラミングを学習しました。そのときの体験や内容についてのご質問、ご相談はこちら(メールが送れます)までお願いいたします。

エボラ出血熱対応チームへの支援について

(ビデオでは53:30くらいから)

「逆に今止めなければ、HIVやポリオのように、世界的な危機となるでしょう。大規模になる前にこうした病原体の拡大を止めるという発想は、あまり持たれていないように思います。もし私が70年代に戻ることができたなら、HIVがこれほどの規模に拡大する前に食い止めるでしょうが、そんなことは不可能です。不可能になってしまう前に、機会があるうちに手を打っておく必要があります。」

米国では主に成功した企業などは(節税の意味もあって)多額のDonation(寄付)をします。これは米国という国がベースとしている「持つ者が持たざる者を支援する」考え方で、色々なDonationの機会があります。

ところで、フェースブック社の場合はCEOのザッカーバーグ氏が「これはやったほうが良い」と思ったことに対し、本当に「会社全体がグイッと動く感じ」がします。ザッカーバーグ氏のリーダーシップが殊更フォーカスされますが、ザッカーバーグ氏を中心とする超優秀な経営チームが「会社のミッション」に深く共感しているからこそ、あるいは経営チームから下のマネージャ層、一般層まで含めて会社のミッションが深く浸透しているからこそ皆が自律的に動く(結果的に動かしているように見える)のだと思います。

これは、ともすればかつての日本企業が得意としていた「家族経営」の効果に非常によく似ていますが、シャインはこれは似て非なるものだと解釈しています。

「家族経営」は上下左右の関係がかなりウェットですが、フェイスブック社の各人はもっと自立・自律しているはずです。自立・自律のスタンスの上で、会社のミッションの達成をしようとすることを会社も求めていますし、各人はそれをよく理解していると思います。

フェイスブック社のオープンイノベーション

(ビデオでは55:45くらいから)

フェイスブックCOOであるシェリル・サンドバーグがコメントします。

私たちの作っているプロダクトは、基本的には無料です。そのため非営利に協力してくれる人がたくさんいるのです。寄付ボタンを開発したチームは非常によく努力してくれました。世界を繋げるという理念に共感してくれる人と共に、サービスを作り上げているのです。

私たちが毎日構築しているプラットフォームは、素晴らしく人々の役に立つものです。もちろんその上のコンテンツは単にひとときの楽しみを提供するだけのこともありますが、プラットフォームそのものは人々に貢献しているのです。これは非常に明快なミッションです。マークがFacebookの初期から行った重要なことのひとつは、働きたいと思える場所を作ることだったと思います。」

シャインは、「社員が働いて意味のある組織を、この地元愛知で創りたい」という思いをもって創業しました。そういう意味で頑張らねばと思っています。

起業、そして成長について

(ビデオでは58:25くらいから)

「最初にはじめたときは、会社を作りたかったわけではありませんでしたし、会社を作ることについては何も知りませんでした。ご存知のことと思いますが、私は大学生のときにFacebookをはじめました。そしてその後、シリコンバレーに引っ越しました。さまざまな素晴らしいテクノロジー企業がシリコンバレーで活躍していることを知ったからです。でもそのときは、Facebookがそんな企業のひとつになるとは思ってもみませんでした。

せいぜい会社の体をなせば御の字だろうくらいに思っていました。うまくいかなかったらまた戻ればいいと思っていたのですが、さまざまな面白い人たちに出会いはじめたのです。アドバイスをくれる人や、チームをサポートしてくれる人……そうした人たちの力を借りて、自分1人ではどうしたらいいのか全くわからない問題を解決することができました。

こうしてこの10年、挑戦に次ぐ挑戦に次ぐ挑戦を突破してきました。私が思うに、実は超人的な能力で物事を解決する人などいないのです。集中しないとと言い聞かせたり、他のことに惑わされないようにしてはきましたが、私も人間でした。いえ、まだ今も人間です(笑)。いつも集中できるとは限りません。ではどうやって困難を乗り越えるのか。それは周りの人の力によるものです

これについて、興味深いデータがあります。たくさんの創業メンバーがいる会社は、成功しやすいというものです。私が思うに、これは1人でなんでもやるのは難しいということを意味しています。どうやって取り組んだらいいかもわからない難問だらけなのです。

メディアが誤っているのは、1人の人間がやったかのように描いてしまう点です。なぜこのQ&Aが実現しているかというと、私のチームが来てくれているからです。私は全ての答えを知っているわけではありません。答えはみんなで作り上げていくものです。これはとても本質的なことだと思います。1人でなんでもやろうとすればするほど、どうしようもない困難に出会ってしまいます。なぜなら万能な人間などいないからです

しかし友達、家族、従業員、いろいろな人たちにその都度協力してもらうことができれば、それが壁を突破する力になるのです。私を困難から救ってきたのは、そして救い続けていくのは、こうした力です。

だから、すごい人になる必要なんてないんです。諦めず、自分が実現すべきだと思う理想に共感してくれる人を探し、そして挑み続ければいいのです。」

ザッカーバーグ氏は「(CEO)一人の脆さ」をすごく理解していると思います。

そして最初から最強のチームを編成することにかなり注力していると思います。GoogleやAmazon.comもそうですが、米国のIT企業の強さはここに一端があるのだなと感じました。

Wrap Up

(ビデオでは1:03:40くらいから)

「思い出したんですが、Q&Aセッションをフェイスブック社内で最初に始めたときはまだ会社は小さかったので、皆が床に円になって座っていました。でもその頃から、どう学び、どう透明性を高めオープンにし、どう働き、どう繰り返し考えるかという会社の文化を伝えるのに重要だと思っていました。このタウンQ&Aが、我々がコミュニティにサービスを提供するために非常に重要なパートを占めていくといいなと思っています。」

これは楽天の朝会にも通じるものだと思いますが、Q&Aセッションとすることで、よりコミュニケーションに双方向性が出て進化したものだと感じました。

そして、これはフェイスブック社およびザッカーバーグ氏が重要視している「利用者のフィードバックを得ること」に直結してると感じました。

このシリーズは今回で最後です。フェイスブック社は創業からわずか12年、上場から4年ですが、偉大な会社組織にできた成功は素晴らしいと思いますし、参考になるアイデアがたくさんあったと思います。

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